あらすじ

2020年。春。

未天潔(みあまきよし)は、中学時代の後輩であり元恋人である、縹明(はなだあかり)と十年ぶりに連絡を取り合う。
そこで伝えられたのは、同じく後輩である浅葱優衣(あさぎゆい)が大病を患い、病床に伏していること。
そして、浅葱のためにも、当時仲の良かった「4人」で再び集まりたいという旨だった。 
コロナウイルスが猛威を振るう時世、リモートで再会を果たす面子。
しかし、当時浅葱と付き合っていた納戸拓(なんどたく)だけは参加してこない。 
納戸は、十一年前の花火大会の日に起きた「アレ」によって、行方不明となっていた。
そもそも3人が疎遠となっていったきっかけも、結局詳しいことは何も分かっていない「アレ」。 
連絡はしたものの、どこで何をしているかもわからない納戸がリモートに参加してくるはずが無いということは、3人とも内心分かっている。 
恋。病。近況。納戸の思い出。当時の想いと今の想い。それぞれが渦巻いて、会話は進んでいく。過去にあった様々な苦悩や恥辱も、今なら笑える。
3人とも何かの蟠りがとけたかのように感慨に耽っていたその時...。